ゲーム業界を目指す人にとって「ゲーム業界はやめとけ!」って言われると不安になりますよね。
ガメ(筆者)も転職活動中はブラックな話を聞くゲーム業界に不安を感じてました。
実際ゲーム業界に入った当時(2013年ごろ)、とんでもなく過酷な労働環境で、何度も心が折れかかりました。
というか、折れてました。。。
いまは法律が厳しくなってきて、10年前に比べたらとても改善されてきましたが、それでもつらいことはあります。
この記事では「ゲーム業界はやめとけ」と言われる理由とガメの実体験、現在はどうなってるの?を紹介します。
ゲーム業界って大丈夫?ブラック?と考えてる人は参考にしてくださいね。
- ゲーム業界はやめとけと言われる理由と現在の状況。
- ゲーム業界のいいところ。
ゲーム業界はやめとけと言われる理由と実体験
ゲーム業界はやめとけと言われる主な理由はこのあたり。
- 残業時間が長い。
- 休みが取れない。
- 徹夜がしょっちゅう。
- 常に人手不足。
- 離職率が高い。
- 労働に対して給料が安い。
- 高いコミュニケーション能力が必要。
- 社会人としてマナーが出来ない人が多い。
実際、ガメがゲーム業界に入った当時の様子も合わせて、それぞれ紹介していきます。
残業時間が長い
ゲーム業界では、プロジェクトの締め切りに向けての残業が頻繁に発生します。
スケジュール通りにゲーム制作を行っていても、いざ組みあがってみると「思ってたのと違う」ということがあり、プログラムの修正や必要なデザインデータの追加作成、仕様書の調整などが発生するからです。
途中のマイルストーンやマスターアップに向けて、どれだけ細かくスケジュールを立てていても必ずと言っていいほど崩れていくのがゲーム制作。
クオリティが達していないゲームを作っても意味がないので、みんな必死に残業して作っていってる感じですね。
ガメの経験では、だいたい1日2時間~3時間。遅いときは終電なんて日もある。定時で帰る日はほぼ無かったね。
残業や休日出勤に関しては、2019年から、労働基準法にある36協定が施行されました。
これによって残業時間に上限が設けられて、極端に長時間の残業はできなくなってます。
その分、昔のように時間を無視してこだわり抜いたゲームを作る!というのが難しくなってきてるのも事実ですね。
昔より残業はかなり少なくなった。この点はかなり改善されてきてるね。
>>なぜゲーム会社の残業が多くなるのか。その理由をこちらの記事でまとめています。参考にしてください。
休みが取れない
プロジェクトの進行状況によっては休日出勤があったり、休みを取ることが難しくなることがあります。
特にプロジェクトの締め切りが近づくと、納品に向けてのクオリティアップや実装確認、バグ修正に時間がかかるからいです。
平日だけですべて終わるのは理想ですが、どんな大手の会社でもマスターアップ前は残業や休日出勤しているのが現実です。
ガメが体験した最長は3か月休み無し。休日出勤した振替休暇も取れず3日に1回帰って風呂だけ入るみたいな状況でした。とにかくゲームにバグ修正が大変で、データも間違いだらけで残業と休日出勤をして対応してたね。
こんなの今なら訴えられるレベルで大問題だわ。
今は労働基準法が厳しくなっていて、休み無しで働かせ続けると会社に罰則が発生するので、昔に比べて従業員はかなり守られてきています。
どうしても休日出勤が必要な場合はあるけど、法律に準拠した会社は無理やりでも振替休暇を取らせるし徹夜禁止の会社もありますね。
今は昔ほど休日返上して仕事をすることは無くなってきてるよ。
徹夜がしょっちゅうある
特に、重要なマイルストーンや納品が近づくと作業の遅れやバグ修正で徹夜になることがあります。
だいたいマスターアップ1か月前あたりからヤバい雰囲気が出てきて、徹夜で対応することも。
ガメが体験したのは、マスターアップが近づいたところで致命的なバグが発見され、3日連続で徹夜作業したこと。
絶望感がハンパなかったわ。。。
プログラム修正で直ればいい方で、3Dや2D、データベースの修正が必要になったときは最悪。マスターアップの朝まで、徹夜で修正作業することもありました。
その影響でデバッカーにも泊りで待機を依頼したり、一度帰ったプログラマーを呼び出すなんてことも。
ディレクターやプログラマー、デザイナーがどれだけ気を付けて作業をしていても、何が起こるかわからないのがゲーム開発です。
正直、徹夜は今でも起こりえます。
ゲーム開発は納期を守ることが必須ですが、致命的なバグがあるゲームはマスターアップできないため、徹夜をしてでも対応することがあります。
昔のようにしょっちゅう徹夜ってことは無いけど、マスターアップ近くに徹夜作業は起こりうるね。
常に人手不足
ゲーム業界は常に人手不足って言われています。
人手不足と言いますが、実際に人がいないわけではありません。
人手不足の本当の理由は「クオリティに達した仕事ができる人がいない」です。
新しいゲームの開発や既存ゲームのメンテナンスには、スキルと経験が必要。
仕事のクオリティが高い人はガッツリ作業に入るから、人材育成が進まないのが現実です。
また、会社はたくさん人を雇う余裕がないところがほとんど。
最低限の人員で開発をしなければならないので、一人一人の負担が増える傾向にあります。
人員に余裕をもった開発ができている会社は少ないな。
人手不足の問題は深刻で、最近は新人教育を見直す会社も出てきています。
すぐに改善するのは難しいかもしれませんが、少しずつ業界の動きが変わってきているのも事実ですね。
ガメの会社も新卒採用を再開してる。できる人がいないから、新人を育てよう!という動きになってるね。
離職率が高い
ゲーム業界は、離職率が比較的高い傾向にあります。
- 業務が多すぎて休めない。
- 賃金が安い。
- 残業が長すぎる。
- 業務についていけない。
- ストレスでうつ病を発症。
ゲーム業界の中で転職する人もいれば、ゲーム業界を離れる人もいます。
特に学生上がりの新人には厳しい世界で、業界の難しさに耐えられず離脱する人が多かった印象ですね。
あとは深夜までの残業や休日出勤が続くとストレスMAX。結果、うつ病を発症して離職する人が多かったです。
ガメが務めていた11年の間でも、21人が会社を去っていった。昔はうつ病で辞める人が多かったな。
ただ、離職率もどんどん改善が進んでいます。以前のように病気やネガティブな理由で辞める人はとても減っている心象です。
会社も社員確保に気を使ってきていますし、労働環境の改善は進んでいるので、あまり怖がる必要はない業界になっています。
>>ゲーム業界の退職が多い理由はこちらの記事でくわしく説明しています。参考にどうぞ。
労働に対して給料が安い
ゲーム業界では、労働に対して給料が安い傾向にあります。
新人や未経験者で月の給料20万円(総支給額)なんてこともざらにあります。
他の業種より残業や業務の量が多いことがあり、20万もらっていても時間単価は低くなりますね。しかも、みなし残業や裁量労働制などを使い、残業代をできるだけ出さない会社が多いから余計に給料が安くなってしまう。
全ての企業が残業代を出せればいいですが、国内のゲーム開発は予算が非常に少なく、人件費はギリギリまで抑えられます。
ゲーム業界は業務に対する対価意識が強いので、他の人より圧倒的な技術力があるか、キャリアアップしないと高い給料はもらえません。
給料が上がる一番の方法は、リーダーやディレクターになることです。
>>ゲーム業界の年収をまとめた記事はこちら。実例も出しているので気になる方は読んでください。
高いコミュニケーション能力が必要
ゲーム業界では、けっこう高いコミュニケーション能力が求められます。
普通は、話せば伝わるでしょ?って思いますよね。でも、実際は言いたいことが伝わらなかったり、相手の言ってることを間違って理解したりするものです。
これが致命的で、業務が進んでから作っている物が違うことが発覚!ということが多々あります。
コミュニケーションはどれだけ細かくわかりやすく相手と意思疎通ができるかが重要。
話し方はもちろん、何がしたいかの整理や日々の確認など、相手に可能な限り100%伝わる方法を身に着ける必要があるのです。
人間って、思った以上にコミュニケーションが苦手なんだよ。
コミュニケーション不足が原因で残業時間の増加や、人間関係の悪化につながることもよくあります。
特にすべてをマニュアル化しにくいゲーム制作現場では、コミュニケーションで仕事の善し悪しが決まると言っていいほど重要なことですね。
コミュニケーションがしっかり取れる人は仕事の精度も高い。これは間違いないよ。
社会人としてマナーが出来ない人が多い
ゲーム業界は服装や髪形、就業規則が他の業界に比べて緩い会社が多いです。
寝坊して遅れて出社しても注意されることは少ないですし、髪を染めていようが鼻ピアスをしてようが、何も言われない会社が多い。
そんな業界になれてしまうと、社会人としての一般的マナーを守れなくなる人ができます。
言葉遣いをはじめ、電話の取次ぎやメールの返信1つまともにできない人がけっこういる業界です。
日々の業務ができてれば何も言わないという会社では、社会人として成長ができてない可能性もあるので注意が必要。
こういった環境になれてしまうと、キャリアアップできなかったりゲーム業界以外で働けなくなるから注意してください。
社会人としてのマナーはゲーム業界であっても超大切だよ!
ゲーム業界のいいところ
ここまでゲーム業界の気になる点を紹介してきましたが、いいところもたくさんあります。
その中で代表的なところを紹介。
- ゲームやキャラクターが好きなメンバーと仕事ができる。
- 服装自由で気楽。
- ある程度実力が付くと、リモートワークも可能。
- 新しい技術に触れられる。
- 有名タイトルの制作に参加できる可能性がある。
ゲームやキャラクターが好きなメンバーと仕事ができる
仕事をするとき「あのゲームのあの感じでエフェクト出したいよね~」「あのキャラのあの技みたいな感じにしたい」なんて話しながらゲーム制作ができたりします。
ゲームが好きな人が集まる開発はとても面白いですよ。
中にはすごくマニアックな人もいてとても勉強にもなります。
自分の知識もどんどんたまるし、とても楽しく仕事ができるよ!
服装自由で気楽
ゲーム会社のほとんどは服装自由。
髪型や髪の色、アクセサリー類も業務に支障が無ければ何か言われるようなこともありません。
自分を表現できるし、とても自由なので気楽に仕事ができますよ。
服装は自由だけど、社会人としてのマナーは勉強しておこうね!
ある程度実力が付くと、リモートワークも可能
会社の求人によってはリモートワーク可能なところも出てきました。
実際は、働きだすのと同時にリモートワークをするのは難しく、しばらくはメンバーと直にコミュニケーションを取りながら仕事をすることになります。
業務ができるようになり、メンバーとのコミュニケーションにも問題が無いと判断されて、初めて希望者はリモートワークに移行できるようになるのが一般的。
リモートワークは通勤する必要が無いので、住まいが会社から遠い人はとても助かります。通勤の混雑で疲れることもありませんし。
ガメはオンラインコミュニケーションが苦手だったので、ずっと出社してました。
新しい技術に触れられる
ゲームエンジンやCGツールなどを使ってゲーム制作をしますが、これらの進歩はすさまじい勢いです。
一度作ったゲームは、バージョンアップのタイミングだからといってゲームエンジンやCGツールのアップグレードはできないことがほとんどですが、新しいゲーム開発のタイミングでは新技術を取り入れたり試すことができる機会が増えます。
会社のお金でプラグインやソフトの購入、セミナーへの参加しながら技術習得ができる。本気で学びたい人にはありがたい環境です。
プログラマーやデザイナーがプラグインやソフトを技研と言って買ってたな~
有名タイトルの制作に参加できる可能性がある
自分の作ったゲームが世の中に発売されたときは、とても嬉しく誇りがもてます。
コンシューマーソフトなどでは、エンドロールやスタッフロールに名前が載ることもあります。
ゲーム画面に自分の名前がでるなんて、とても嬉しですよね!
ほんとうにゲームが好きな人や本気でゲームを作りたい!と考えている人には夢のある世界ですよ!
ガメも担当したゲームが市場に出たときは、ともて嬉しかったね。
ゲーム業界を目指す人は情報収集が超大事
ゲーム業界は、まだまだ厳しい労働をしなければならない会社がたくさんあります。
いくら36協定がある会社でも、必ず週40時間労働とは限らず、何日も休日出勤することがあるのも事実。
ガメは納品前など、1か月休み無しとか普通にあった。
それでも制作に参加したゲームや、有名タイトルを世に出せる喜びは大きいものです。
せっかく自分が望んだゲーム制作を仕事にするなら、できる限り良い環境で働きたですよね。
そんなときは、企業の口コミサイトやゲーム専門の転職エージェントを利用することが、情報量が豊富で時短になります。
企業の口コミを調べるサイト
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転職エージェントを使いたい方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
最後にこれだけは覚えておいてほしい。
ゲーム制作は納期が絶対。
開発の遅れや納品前、バグが発生したときは残業や休日出勤をしてでも対応しなければならない。
これは他の業界でも同じだけど、忙しいときにノー残業、ノー休日出勤を貫き通すのは難しいことは理解しておくようにね。
ゲーム制作はチーム戦。一人が欠けると周りの負担も大きくなるからね。
ゲーム業界はまだまだ問題もあるけど、10年前に比べたらかなり良くなってきてる。
これからも改善は進むから、怖がらず、夢に向かってがんばってね。
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